【課題300】
なぜ願いごとをたくさん詰め込むと、うまくいかなくなるのか。自分なりの考えをまとめてください。
ふと気がつくと、私たちは「あれも、これも」と、両手で抱えきれないほどの願いを握りしめています。
それらはどれも切実で、大切なものに思えますが、抱えるものが増えるほど、一歩を踏み出す足取りは重くなってしまう。
「なぜ、願っているはずなのに届かないのか」
そんな静かな行き止まりに立ち止まっている方に、この記事を届けたいと思います。
これは、何かを成し遂げるための効率的な手法ではありません。
むしろ、握りしめた手をそっと緩め、自分にとっての「本当」を確かめるための、静かな対話のようなものです。
私自身もまだ、手放すことの心細さを感じながら、その先にある景色を信じようとしている一人です。
- 「選ぶ」とは、ひとつの未来に命を吹き込むこと
-
すべての可能性を追いかけることは、結局のところ、どの現実も選んでいないことと同じかもしれません。一つに絞ることは「損失」ではなく、その一つを「生かす」ための決意であるという視点。
- 願いの「純度」を問い直す
-
その願いは、自分自身の奥底から湧き出たものでしょうか。それとも、外側の騒がしさに呼応して生まれたものでしょうか。願いの数ではなく、その「純度」に目を向けてみます。
- 「ない」ことを受け入れた先に宿る力
-
すべてを手にできないという限界を認めることは、諦めではありません。むしろ、限られた自分という存在を、最も大切な場所に注ぎ込むための「静かな強さ」の始まりです。
この記事は、多くを望みすぎることがなぜ営業の結果に影響するのかについて、セールスパーソンおよびビジネス指導者としての立場から思考を整理し共有するものです。
願いを増やすほど、手応えが曖昧になる
以前の私は、一度の面談の中で、できるだけ多くを得たいと考えていました。
理解してもらいたい。
関係も深めたい。
情報も集めたい。
紹介もいただけたらうれしい。
これは多くのセールスパーソンが当たり前のようにやっていることであり、いわゆる正攻法なのだと思います。
実際、それで結果を出している人もいる。
だからこそ、間違っているとは思いませんでした。
ただ、私にはそれがうまくできませんでした。
というよりも、どこかで無理をしている感覚があったのだと思います。
結果として、面談はまとまらず、何をしに行ったのかが曖昧なまま終わることも少なくありませんでした。
うまくいくこともある。
けれど、再現性がない。
そして何より残るのは、「悪くはなかったが、何も決まっていない」という感覚でした。
だからこそ、ゴールをシンプルにした
そうした経験の中で、私はひとつの考えにたどり着きました。
願いが多すぎるのではないか。欲しがりすぎではないか。
そして、その多さが、自分の関わりを曖昧にしているのではないか。
そこで私は、意図的にゴールを絞ることにしました。
「加入意思が明確に言語化される状態」と「紹介獲得」を設計する。
この二つを、初回面談の中で完了させる。
しかも、30分という時間制限の中で。
本来であれば、関係構築や情報収集を経て、段階的に行われるはずのプロセスです。
それを一気に前倒しする。
かなり極端なやり方だという自覚はありますし、同業者には理解されにくいだろうとも思っています。
シンプルにすると、内包されるものがある
ただ、このやり方を続ける中で、ひとつの感覚が見えてきました。
ゴールをシンプルにすると、その中に別の要素が“内包される”という感覚です。
「加入意思の言語化」と「紹介獲得」を目標に据えると、結果として「関係構築」や「情報収集」は避けて通れなくなる。
むしろ、それらがなければ成立しない。
ただし、その“あり方”は変わります。
たとえば情報収集であれば、すべてをその場で深く聞き切ろうとはしない。
あくまで、加入意思と紹介につながる範囲に留める。
深く踏み込むべき情報は、その後の関係の中で扱えばよい。
優先順位は明確に、「加入意思」と「紹介獲得」に置く。
そうすることで、関係構築や情報収集も、“目的に従属した形”で機能し始める。
願いが多いと、すべてが並列になる
以前のように願いを並べていたときは、
それぞれを同じ重さで扱おうとしていました。
理解も大切。
関係も大切。
情報も大切。
紹介も大切。
どれも正しい。
だからこそ、どれも同じように扱おうとする。
しかしその結果、すべてが“並列”になってしまう。
並列になると、優先順位が消える。
優先順位が消えると、判断が揺れる。
そしてその揺れが、関わりの中ににじみ出ていく。
絞ることで、流れが生まれる
一方で、ゴールを絞ると、そこに明確な流れが生まれます。
何のための時間なのか。
どこに向かっているのか。
それが、自分の中でもはっきりする。
結果として、言葉や間の取り方も整ってくる。
すべてをやろうとしないことで、むしろ必要なものは自然と組み込まれていく。
この感覚は、やってみて初めて分かるものでした。
順番を持つということ
願いを絞るというのは、何かを捨てることではないのだと思います。
順番をつけるということです。
まずは、この二つ。
それが自然にできるようになること。
その上で、次に扱うべきものを考える。
最初からすべてを同時に扱おうとすると、どれも曖昧になる。
だからこそ、「今はここまで」と決める。
その制限が、結果として全体の質を高めていくように感じています。
なぜ、願いごとをたくさん詰め込むと、うまくいかなくなるのか。
それは、願いが悪いからではなく、扱いきれない形で並べてしまっているからなのかもしれません。
もしそうだとしたら、これを問い続けなければなりません。
今、自分が置いているその願いは、本当に“同時に扱える形”になっているのだろうか。
今、あなたが握りしめているたくさんの願いの中で、最後の一つになっても守り抜きたいものは、どれでしょうか。
そして、その願いを抱くあなたは、どんな自分でありたいと願っていますか?
まとめ
- 願いを詰め込むと意図が分散し、伝わりにくくなる
- 正攻法が合わない場合、自分なりに願いを絞る必要がある
- 願いは減らすのではなく、順番をつけて扱うことが重要
併せて読みたい一冊
『エッセンシャル思考』グレッグ・マキューン
何を捨て、何に集中するのか。自分にとって本当に重要なものを見極める視点は、「願いを絞る」という今回のテーマと静かに重なります。
もっと深めるためのメモ
- 「内包される」とは何が起きているのか
-
- なぜ、ゴールを絞ると他の要素が“内包される”のか
- なぜ関係構築や情報収集が“結果として”成立するのか
- 内包される状態と、個別にやる状態の違いは何か
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