【課題013】
なぜ「どこから学ぶか」を間違えると成長できなくなるのか。自分なりの考えをまとめてください。
営業を始めたばかりの頃、私はよくこんなことを考えていました。
「もっと上手く話せるトークはないだろうか。」
「すぐに成果が出る方法はないだろうか。」
当時の私は、営業がなかなかうまくいっていませんでした。
思うように契約にはつながらない。
何が足りないのかもよく分からない。
だからこそ、どこかで手っ取り早く成果が出る方法を探していたように思います。
もし優れたトークスクリプトがあれば。
もし成果を出している人の言葉をそのまま使えたら。
そんなふうに考えたこともありました。
今振り返ると、それは決して特別なことではないように思います。
むしろ、営業が伸び悩んでいるときほど、そう思ってしまうものなのかもしれません。
- 伸び悩んでいるときほど、「すぐに成果につながる方法」を求めてしまう
- 理解の土台がないままテクニックを学ぶことには限界がある
- 成長には「何を教えるか」だけでなく「どこから教えるか」という順序が影響しているのではないか
この記事は、物事を教える際に「教える順序」がなぜ重要なのかについて、セールスパーソンおよびビジネス指導者としての立場から、私自身の経験と考え方を整理し共有するものです。
指導の場で感じる違和感
現在、私はセールスパーソンの指導に関わる機会も増えてきました。
その中で、ふと感じることがあります。
多くの人が、どこかで「すぐに成果につながる方法」を求めているように見えるのです。
- トークスクリプト
- 効果的な切り返し
- 成約率を上げるテクニック
もちろん、それらがまったく意味がないとは思いません。
営業という仕事の中で、言葉の工夫が役に立つ場面も確かにあります。
しかし、それを先に求めることには、どこか違和感もあります。
なぜなら、教える順序が違っているように感じることがあるからです。
同じ言葉でも意味が変わる
例えば、いきなり高度なトークを教わったとしても、そもそもお客様との会話がどのような意味を持つのかが理解できていなければ、その言葉はただの「型」になってしまいます。
言葉だけを覚えることはできるかもしれません。
しかし、それがなぜ必要なのかは見えてきません。
逆に、お客様がどのように考えているのか。
営業という仕事は、どんな対話なのか。
そうした視点が少しずつ理解できてくると、
その後に教わるトークや提案方法は、まったく違う意味を持ちはじめます。
同じ言葉でも、理解の土台があるかどうかで受け取り方が変わるのです。
知識は積み上がるのではなく、つながる
振り返ってみると、伸び悩んでいた頃の私は、知識を一つずつ積み上げようとしていました。
- 新しいトーク
- 新しい提案方法
- 新しい営業テクニック
しかし実際には、知識はただ増やすものではなく、つながっていくものなのかもしれません。
ある視点を理解した瞬間に、それまでバラバラだった知識が急につながることがあります。
「ああ、だからあの話をしていたのか。」
「あの説明は、このためだったのか。」
そんなふうに感じる瞬間があります。
そして、そのつながりは多くの場合、どこから学び始めたかと関係しているように思うのです。
もし最初に学ぶことが、この仕事の土台になるものであれば、その後に学ぶことは自然と意味を持ちはじめます。
しかし順序が逆になると、理解の土台がないまま、知識だけが増えていきます。
すると、覚えることは増えるのに、なぜそれが必要なのかは見えてきません。
教える順序は、成長の速度を変えるのかもしれない
今、指導の場に立つことが増えたからこそ、ときどき自分自身に問いかけることがあります。
目の前の人は、今どんな答えを求めているのだろうか。
そして、本当はどこから伝えるべきなのだろうか。
人はどうしても、すぐに役に立つものを知りたくなります。
しかし、本当に役に立つものほど、実はもう少し手前にある理解から始まっているのかもしれません。
営業とは、トークを覚える仕事なのでしょうか。
それとも、人と人の対話を理解していく仕事なのでしょうか。
もし後者だとしたら、最初に学ぶべきものは、少し違う場所にあるのかもしれません。
学ぶ側としての問い
物事を教えるとき、内容そのものももちろん大切です。
しかし同時に、どこから教え始めるのかという順序も、学ぶ人の理解に大きな影響を与えるように感じています。
そしてこれは、教える側だけの問題ではないのかもしれません。
学ぶ側の立場としても、ときどきこんな問いを持ってみてもよいのではないでしょうか。
今知ろうとしていることは、この仕事の「入り口」なのだろうか。
それとも、まだ少し先にある話なのだろうか。
営業という仕事は、技術を覚えていく仕事なのでしょうか。
それとも、人との関係や対話を理解していく仕事なのでしょうか。
もし後者なのだとしたら、私はこれから、どこから学び始めたいと思っているのだろうか。
まとめ
- 伸び悩むセールスパーソンほど「手っ取り早いトーク」を求めがち
- しかし理解の土台がないままテクニックを学んでも意味は生まれにくい
- 教える内容だけでなく「教える順序」が学びの深さを大きく変える
併せて読みたい一冊
『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑
知識を「覚えること」よりも、「どう理解し、どう使うか」という視点を与えてくれる本です。
学びの順序や、理解の深まりについて考えるきっかけにもなる一冊だと思います。
もっと深めるためのメモ
「順序」をさらに深掘りしてみる
- なぜ人は「教える順序」を間違えてしまうのか
- 正しい順序とは誰にとっての正しさなのか
- 教える順序は、相手によって変えるべきものなのか
「学ぶ側」の視点に寄せてみる
- 人はなぜ「順序」を無視してでも答えを求めてしまうのか
- 伸び悩む人ほど「手っ取り早い方法」を求めるのはなぜか
- 学ぶ側は「何から学ぶべきか」をどう見極めるのか
「教えるとは何か」を再定義してみる
- 教えるとは「伝えること」なのか、それとも「順序を整えること」なのか
- 人に教えるとき、本当に届けたいものは何なのか
- 教える側は「答え」と「問い」のどちらを渡すべきなのか
「営業」と結びつけてみる
- 営業は「何を伝えるか」ではなく「どの順番で伝えるか」で決まるのか
- 初回面談30分の中で、どの順序で話すことが本質なのか
- 紹介営業はなぜ「順序」が機能しやすいのか
「伏線」とつなげて考えてみる
- 教える順序と「伏線」は同じものなのか
- 人が理解するとき、どのように伏線が回収されているのか
- 優れた指導は「伏線」をどのように使っているのか
「在り方」に落とし込んでみる
- 人に教えるとき、自分はどんな存在でありたいのか
- 相手の成長を願うとは、どういうことなのか
- 教える立場の人間は、何に責任を持つべきなのか